佐川喚問で核心部分はまったく解明されずー玉木雄一郎「希望の党」代表、定例会見 by 酒井佑人

2018年03月28日、「希望の党」玉木雄一郎代表による記者会見が国会内で行われた。

1.冒頭発言

きょう、佐川前理財局長の証人喚問が行われました。わが党からは、午後、衆議院で今井雅人議員が質問に立ちましたけれども、全体を見ていて、今回、安倍総理あるいは総理周辺に対する忖度が問題になった事案にもかかわらず、きょうの証人喚問は、この証人喚問自体非常に忖度に満ちあふれた証人喚問だったのではないかなと思われます。官邸等の関与はないという一方で、国民が一番知りたい、じゃ実際、誰が指示をして、何の目的でやったのかということについては、全て証言拒否ということでありますから、核心部分については全く解明されなかった、そんな証人喚問だったのではないかと思います。
ただ2点気になったことは、一つは、これは丸川珠代議員からの質問だったと思いますけれども、改ざんの目的について聞かれた際に、「総理や総理夫人の名前を記録から消すためにやったんですか」ということを聞かれた際に、「いや、そうではないんです」と否定せずに、ここも証言を拒否されました。明確にこれを否定しなかったということは、改ざんの目的の中に総理や総理夫人の名前を消すということが、これは否定しなかったわけですから、あり得るという話ではないかと思いますので、やはりそういう意味では安倍昭恵夫人の証人喚問も真相の究明、全容解明には不可欠ではないかと思いますので、ここは野党協力して引き続き証人喚問を求めていきたいと思います。
もう一つは、土地取引そのものの適正性について何人かから質問がありましたけれども、共通して言っていたのは、当時は理財局にいなかったと、つまり当時の担当者ではないけれども、勉強した結果、自分の答弁はそれに基づいて答弁して正しかったということでありました。特に、不動産鑑定に基づいて決めたので問題はない、昭恵夫人等の影響はないというような答弁があったと思いますが、これは皆さんもご存じの通り、昨年11月に出された会計検査院の報告の中には8億円の値引きの根拠が全くないということが明確に書かれてありますし、実際8億円を値引きするときに出された不動産鑑定は、不動産鑑定そのものではなくて意見価格というものであって、この9億円というのはきちんと不動産鑑定をしていますが、そこから航空局から提供された8億円の値引きをして1億3400万円にしたというこの額は、鑑定額そのものではなくて意見価格だということで、会計検査院も信頼性の水準を確保することをそもそも求められるものではないというふうにしていますので、検査院がそういうふうに断じたものを基に正しい答弁をしたということはおよそ成り立たなくなっておりますから、やはり根っこの取引自体の適正性、公平性、合規性といったものは全くきょうの答弁では明らかになりませんでしたから、その意味ではやはり当時のこの処分をしたときの理財局長である迫田前々理財局長、そしてまた昭恵夫人と理財局をつないだとされる谷総理夫人付、そして、この土地取引について籠池氏側で全てを知っていると思われる酒井弁護士、こういった関係者の証人喚問を引き続き求めていきたいと思っております。
いずれにしても、きょうの証人喚問では多くのことが明らかにならないまま終わってしまいました。国民の皆さんもこれでは納得をできないと思いますので、まずはもう約束している衆議院での総理入りでの予算委員会の集中審議を速やかに開催してもらいたいと思います。併せて、国会の中に調査特別委員会を設けて、ロッキード事件、リクルート事件でやったような国会での真相究明という別途の機関を設けて、引き続き真相解明に院を挙げて取り組んでいく必要があると思いますので、これは与党にも呼び掛けていきたいと思っております。

2.質疑応答

経済政策について

【ゲイレポーター、酒井佑人】

民主党政権時代の経済政策を今どのように総括されているかということなんですけれども、幾つか数字を挙げます。実質GDPは旧民主党政権時代、2010年は493兆、11年が495兆、12年が500兆でございまして、これは福田政権の2007年が506兆だったので大変低級と言えます。第2次、第3次安倍内閣の実質GDPは、13年度が513兆、14年度が510兆、15年度は517兆、16年度が527兆と。また、一般会計税収の推移は、2010年から12年までの一般会計税収が平均で43兆で、この四半世紀で最低水準だったこの数字を見て、民主党政権時代の経済政策をどのように総括されているかということをお伺いできればと思います。

【玉木雄一郎代表】

あえて私も属していたので申し上げますと、リーマン・ショックというのは、いかに大きな国内外の経済に対してインパクトを与えた出来事だったのかなと思います。そこからの回復途上にあったときでありますし、2011年には東日本大震災もあって、さまざまな外的要因の中で、さまざまな政策を打ってきたことが今日にもつながっているのかなと思います。
連続していろいろなものを見なければいけないと思っていまして、例えば税収についても、安倍政権になって上がったということなんですが、安倍政権になって上がった税収のほとんどは消費税を5%から8%に上げた、制度を変更したことに伴う税収増でありましたから、その意味では、あのときにさまざまなことを仕込んだことが今につながっているのかなと思いますので、リーマン・ショックからの回復時においてさまざまな政策を打ってきたことが効果を上げたし、そのことが本格的に花開いたのが安倍政権になってからかなと思っております。

イラク戦争について

【ゲイレポーター、酒井佑人】

イラク戦争開戦から3月20日で15年になりますけれども、海外のメディアでは検証する記事が出ていますけれども、玉木代表はどのように総括されていますでしょうか。よろしくお願いします。

【玉川雄一郎代表】

イギリスも含めて、あるいはアメリカも含めて、大量破壊兵器があったのか、なかったのか。そのことに対してしっかり検証した上で、当時の判断が間違っていたのではないのかということを米英でさえ、そういった検証が行われているにもかかわらず、日本はいまだにそういった、あの時の判断がどうだったのかという検証なく今日を迎えていることは、非常に残念だと思います。そんな中で、集団的自衛権の一部行使を容認するような安保法制が、憲法との整合性、違憲の疑いがあるという批判の中で押し切られて今日に至っていることについても非常に危惧を感じます。やはり、あの戦争が正しい戦争だったのか、そこにコミットしたことは日本国として正しい選択だったのか、これからしっかり検証すべき課題だと考えています。

取材&文:酒井佑人(ゲイレポーター)

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