2018年3月8日、「民進党」大塚耕平代表の定例会見が党本部にて行われた。
冒頭では、務省「森友文書」ねつ造疑惑について「国会を愚弄した対応は遺憾極まりない。その結果、国会が空転している責任は政府・与党にあると言わざるを得ない」と政府・与党の責任を強く追及。「この説明がなされることが国会正常化の必要最低限の条件だ」と政府・与党の説明を求めた。
森友学園の籠池夫妻が勾留されてから9カ月経ったことについては、
「この間に保釈請求が出ているはずだが、却下されている。刑事訴訟法89条には保釈を認めない事由が列挙されている。いったいどのような理由によって、詐欺事案であるのにこれだけ長い勾留がなされているのか」と述べ、今後このことを各委員会で追及する考えを示した。
質疑
「原発ゼロ」・原発廃炉に向けた取り組みついて
【France10・及川局長】
3.11に関連して伺いたい。昨日、小泉元総理大臣が日本外国特派員協会で講演され、あしたも紀伊国屋ホールで講演される。小泉さんは、野党が「原発ゼロ」で一致して共闘すべきだというお考えだ。立憲民主や共産が共同提案しようとしている「原発ゼロ法案」に民進党が乗れない理由について伺いたい。
【大塚耕平代表】
まず、「原発ゼロ法案」は、私たちもいわば元祖「原発ゼロ法案」に向けた方針を出しているわけでありますので、その点はぜひ強調しておきたいと思います。
私たちは「2030年代・原発ゼロ」、ここに向けてもう十分な議論をした上で、そして、現実的なさまざまな工夫もした上で基本方針をまとめているわけでありますので、我々も「原発ゼロ」の方針には変わりがないということをまず申し上げておきたいと思います。
その上で、立憲の皆さんはさらにこれを加速させるというような案をおまとめになっているわけでありますが、そういう加速させることの現実性も含めて、我々はこれまでエネルギー環境調査会等で十分な議論をしてきたわけであります。基本的にエネルギー需要や廃炉の現実性等を勘案すると、立憲の皆さんの法案は若干我々の「原発ゼロ法案」と差がありますので、我々は我々がまとめている以上、我々の案でいくということに尽きます。
それと同時に、これもいい機会なので皆さんにもご認識いただいて、我々今から申し上げる点を追求していきたいと思っていますが、原発を停止しても、廃炉するのに何十年。やったことがないので、ひょっとすると百年単位かもしれないと言われている中で、普通の正常な原発の廃炉でもそのぐらいの年数がかかるかもしれない。いわんや1Fの事故処理の問題もある。これらに実際に従事し作業をしてくれる、こういう人たちをどのように確保していくかという問題について、十分な配慮と工夫が各党において行われているとは言えない面があると思います。これはもちろん政府もそうですし、与党もそうです。
これは震災当時、厚労副大臣を担当していた私としては、実際に1Fの中に入っていって事故処理をやってくださる皆さんの放射線被曝線量の問題に直面していましたので、その当時から、今後その人材については政府がしっかり関与して育成もし、そして処遇も確保していかないと、これからの世代の新しい人がそれに携わってくれることがなくなっていくわけです。
だから、幾ら「原発ゼロ」を急いでやろうと、その処理には、使用済み核燃料は現にあるわけですし、それもどのように処理するかということは何十年、百年単位の話でありますので、今後この原発の事故処理にかかわること、そして廃炉にかかわること、それを行う上での原発の技術を蓄積していくことに関して、非常に前向きに捉えてそれに取り組んでくれる人たちをどのように育てていくか、確保していくかということが非常に大きな問題ですので、我々は「原発ゼロ法案」とともに、そういうことについてしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
マクロ経済政策・金融政策の政策決定過程における問題意識等について
【France10・及川局長】
大塚代表の著書を読ませていただいた。総論というか感想で質問だが、西部邁先生の保守思想に近いなと思ったのが、西部先生も、数理経済学を大学院で専攻し業績を上げられたが、しかし経済学自体を疑うようになったと。大塚代表も、マクロ経済学を専門にされながら、「合理的な愚か者」と、理性中心主義というか経済学自体に大変懐疑を持っている。そこに至った過程を伺いたい。
それと仏教のことだが、仏陀再誕と言っている方もいるが、私の認識では、仏陀は解脱して輪廻から解放されたから再誕はしない。再誕したらそれは仏陀ではないというのが通説だと思うが、仏陀再誕に関するご意見も伺いたい。
【大塚耕平代表】
この件に興味のない方もちょっとおつき合いください。(笑い)
まず1点目は重要なご質問で、話せば長くなるので、もう本当のきっかけだけを申し上げますが、これは今の日銀の正副総裁の人事にもかかわる話です。
私は日銀の職員として、バブルの発生から崩壊、その後の90年代の処理の過程にずっとかかわっておりましたが、学生の時はマクロ経済政策、とりわけ金融政策はかなり理論的・科学的に行われているというふうに、いわば信じ込んでいたわけです。金融理論というのは「社会科学の女王」と言われる経済学の中でもさらに自然科学に近いものだと、みんな思っているものですから。
ところが現実に日銀の中で行われていた政策決定のプロセスの力学には、他の組織と同様に、やはり支店長会議で総裁の方針に沿った覚えめでたいことを言うか言わないかとか、最後の政策判断のところで、理論的には違う結論を導き出し得るところでも、やはり上司やその時のボードにおもねるような議論が行われていた。これは金融機関指導や不良債権処理でも、そういう面があります。
そういうのを実体験してしまうと、一体中央銀行の金融政策とは何ぞやというところが、自分自身も当事者として大変悩む部分になりました。
余談ですが、在職中に大学院で博士号を取りましたが、その博士号の論文はまさしくそのことをやっているわけです。つまり公共政策としてのマクロ経済政策。マクロ経済政策はすごく科学的だと思われていますが、そうではなくて、今回の森友や加計と同様に、あれはみんな公共政策ですから、公共政策にはみんな人的バイアスがかかる。ここが問題で、これをどうやって整理していくのかということに関心を抱いていたので、結局、今回書いた本もその延長線上にあるということであります。
したがって、だからこそ政策というのは結局、科学的にどちらが正しいかなどということは自然科学でも言い切れない部分があるわけです。いわんや社会科学や公共政策などというのは何が正しいかなどというのはわからないので、結局は熟議を尽くすということが必要だという、こういう文脈でありますので、問題意識はそういうことです。
仏陀の件はまた今度ゆっくりお話ししますが、それはなかなか、どなたのお心の中にも仏性は宿っているわけでありますが、それが開けばみんな仏陀ですから。なれないから、みんな困っているわけですよね。そういうことです。
大阪市「同性パートナーシップ証明制度」導入方針について
【ゲイレポーター、酒井佑人】
ゲイレポーター、酒井佑人(27)です。大阪市で同性間によるパートナーシップ制度の導入が検討されており、早ければ来年度に運用を始めるということだが、このパートナーシップ制度についてどのようにお考えか伺いたい。
【大塚耕平代表】
我々は多様性を重んじる政党なので、これは大阪において、大阪の議会、そして行政、住民の皆さんが合意をして、ある一定のルールをつくるということであれば、それを尊重する立場であります。
冒頭のところだけもう一回繰り返しますが、我々は多様性を尊重する政党でありますので、そういうことには十分配慮していきたいと思っています。
コメントを残す