2018年02月06日、岡田克也「無所属の会」代表記者会見が行われ、France10は取材に駆け付けた。
◆冒頭
○自衛隊ヘリの墜落事故について
【「無所属の会」代表】
まず私からは、自衛隊のヘリの墜落について、亡くなった自衛官の方に対して心からお悔やみを申し上げたいと思います。
同時に、お子さんもけがをされたということですが、大変大きな惨事になりかねない、そういう状況だったと思います。政府には、徹底的に原因究明をして、同じことが繰り返されないようにしていただきたいと考えております。
○米国の核戦略見直しに対する政府の姿勢について
【「無所属の会」代表】
私から2点冒頭申し上げたいと思いますが、第1点はNPR(核戦略見直し)についての日本政府の姿勢です。河野外務大臣は「高く評価する」とおっしゃったのですが、私には全く理解できないことであります。
幾つか問題があると思いますが、一つは、従来は核兵器の役割を低減させるということでしたが、今回はそれを拡大させるということで、核軍縮に関する考え方が180度変わったと言わざるを得ないと思います。それを「高く評価する」というのは一体何事か、と考えております。
一つは、戦略核について、新START条約が実施されて、本来であればこれからさらにその次、戦略核のさらなる縮減について、米ロ、場合によっては中国も巻き込んでしっかり話し合わなければならない、そういうステージだと私は思いますが、核軍拡という流れができたことで、戦略核の軍縮の次の一歩という機運が全く失われてしまったのではないかと思います。それがなぜ「高く評価する」ということになるのか。 2番目は、核搭載海上発射型巡航ミサイルの可能性を追求するということですが、もしそういった技術ができるということになると、これは戦略核ではありませんので、INF(中距離核戦力)全廃条約との関係がどうなるのか。あるいは、INFにもかからないような足の短い戦術核ということであれば、これは数の規制というのは私が承知している限りありませんので、米ロの間でこの戦術核をめぐって軍拡競争が始まりかねない。そういったことについて、なぜそれが「高く評価する」ことになるのか。
核兵器の発射ボタンを多くの人が持つということは偶発的な事故にもつながりかねないということで、従来、艦船からの核というものは除去すると。潜水艦と爆撃機に限定するというのがアメリカの政策だったと私は理解しておりますが、いろいろな艦船が核を持つ時代に戻るということは、それだけ誤って使われたり、そういうリスクも高まるわけで、それがなぜ「高く評価する」ことになるのか、私は全く理解できない。
あわせて、北朝鮮について、この情勢があるからということも言われていますが、核の使用の敷居を下げる。つまり、確かにオバマ時代のNPRでも完全に核を先に使うことを排除していたわけではありませんが、それは非常に限定した場合に限るということで、核を先に使うことがあるとははっきり言っていなかったわけです。それを今回、場合によっては核を先に使うこともあり得るということにしたわけです。ということは核使用の敷居を下げてしまった。北朝鮮から見れば、先に核を使われてしまうのであれば自分がより先に使わなければいけない、ということになってしまうのではないかと私は恐れております。それがなぜ「高く評価する」ということになるのか、全く意味不明です。
しかも、代表質問で触れましたが、広島でオバマ大統領と並んで「『核なき世界』を目指して努力する」と、そういうふうに言った安倍さんと、どっちが本当の安倍さんかと、改めて聞いてみたいと思っております。
○政党交付金・慶弔費支出に関する報道について
【「無所属の会」代表】
もう一つは「政治とカネ」の話で、私は非常に気になる新聞報道が二つありましたので申し上げたいと思います。
一つは、週末の読売新聞で、「無所属の会」に政党交付金が支給されていることが適切なのかという指摘が出ているという記事がありました。問題があると考えるならば、新聞社として「問題がある」と書かれればいいのですが、「そういう指摘が出ている」という、逃げの入った記事ではあります。
まず、政党交付金が我々に支給されているわけではありません。政党交付金は政党に支給されるものです。そして、それは政党に所属する議員の数に応じて支給されるということで、我々は民進党の議員であるということは、これは紛うことなき事実でありますので、会派としてどういう名前を名乗っているかということとは関係がない話であります。
それから、民進党から我々に支給されるのは、原資は政党交付金であることが多いと思いますが、それに限られるわけではありません。年間800万円が支給されるという方向で議論されておりますが、これは政党の支部に、支部長に、支部活動のためということで支給されるものでありまして、国会で「無所属の会」を名乗っていることとは何の関係もありません。
それを、ザクッと記事を読んだ人に何か「無所属の会」がもらってはいけないお金をもらっているというような印象を与えかねないような、そういう記事は一定の意図を持っていると言わざるを得ない。極めて遺憾だということを申し上げておきたいと思います。
もう一つは産経新聞の記事でありまして、きょうの産経新聞で、私の政治団体が支出した香典が平成22年から25年の4年間に15件あるということを報じております。
記事の中では、それは「全て選挙区外への支出である」と私はコメントしているということも書かれておりますが、これは数日前に急に1枚の紙がファクスされてきまして、これはどういう趣旨ですかということなので、これは選挙区外での葬儀における香典であるということを明確に申し上げているわけです。何の問題もありません。それをなぜわざわざ記事にするのかというのは、意味不明であります。
読者は細かく法律に通じているわけではありませんから、何か問題があるかのような印象を与えてしまっている。そういう記事は極めて遺憾だということを申し上げておきたいと思います。
今、茂木議員の線香代をめぐっていろいろな議論があります。それを、野党も同じようなことをやっているということで打ち消すような、そういう思いでやっておられるとしたら、それはメディアとしての考え方から外れているのではないか。そのことを申し上げておきたいと思います。
本当に問題のある、そういうことについて書かれることはもちろん構いませんが、問題のないものを問題があるかのように報ずるのは、それはよく考えていただきたい。皆さんもメディアに入って、事実を伝える、問題があればそれを指摘する、そういう思いで各メディアはあるわけですから、そのことは十分踏まえて報道していただきたいと思っています。
■質疑
○沖縄県名護市長選挙・辺野古移設問題について
【「フランス10」・及川局長】
名護市長選挙の結果についての受けとめと、民進党は今回、稲嶺進さんを応援したわけだが、辺野古への基地移転というのは反対になったのか。以上2点伺いたい。
【「無所属の会」代表】
普天間の現状を固定化させない、そのために辺野古に移すということは、党としてはその考え方は現時点では変わっておりません。ただ、進め方については県民の十分な理解を得て、現在の進め方については容認できないというのが我が党の基本的考え方だと思います。
市長選について、県連としては推薦されたと。本部としては、政令指定都市の市長及び知事以外は本部は支持とか推薦とか決めないということなので、議論は特にされておりません。
ただ、やはり現在の政府の進め方は極めて乱暴だという中で、現職を応援すると。幹事長も行かれたということですが、特に推薦とかそういうことは決めていないけれども、幹事長としては応援されたということだと思います。
現職が負けたことは残念だったと思います。
取材&文:酒井佑人(ゲイレポーター)
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