28日召集の臨時国会冒頭での衆院解散、10月10日公示、22日投開票の総選挙が想定されるなか、日本共産党の志位和夫委員長は23日、東京・北区の赤羽駅前で総選挙にむけた全国遊説をスタートさせた。
志位氏は、冒頭解散が「森友・加計疑惑隠し」を狙った前代未聞の党略的暴挙だと批判するとともに、国民の世論と運動で追いつめられた結果だと指摘。「安倍政権を退場に追い込む歴史的チャンスの選挙です。野党と市民の共闘の成功、日本共産党の躍進で、安倍政権を退場させ、新しい政治をつくろう」と訴えた。
「総選挙の争点は何か」と問いかけた志位氏は、「安倍首相には、『国民にこれを問う』という大義は全くありません。しかし、国民にはこの総選挙で審判を下すべき大問題がたくさんあります」とのべ、(1)国政私物化、憲法破壊、沖縄や原発など国民多数の民意をふみつけにしてはばからない政治に退場の審判を(2)北朝鮮の核・ミサイル問題の外交的解決と安保法制=戦争法の廃止(3)消費税10%への大増税の中止、格差と貧困をただす経済改革(4)安倍政権による憲法9条改定を許さない(5)核兵器禁止条約にサインする政府をつくる―の大争点を示し、日本共産党の躍進を訴えた。
志位氏は、北朝鮮の核実験・ミサイル発射の暴挙を糾弾するとともに、「唯一の解決策は、経済制裁強化と一体に『対話による平和的解決』をはかることにある」と強調。安倍首相が、異常な対話否定論を叫び、米国の軍事力行使を容認する態度をとっていることを強く批判し、「憲法9条をもつ日本こそ『対話による平和的解決』のイニシアチブを発揮すべきです」と訴えた。
この間、国民の知らないところで安保法制=戦争法が発動されてきたとして、「万一、軍事衝突になったら米国の戦争に自動的に参戦することになります。国民の知らないところで日本が戦争当事国になっていいのでしょうか。憲法違反の安保法制=戦争法はきっぱり廃止するしかありません」と訴えた。
志位氏は、安倍首相が解散の口実として急きょ「消費税10%の増税分の一部を教育・子育てにまわす」と言いだしていることについて、「中身も定かでない『教育・子育て』という“オブラート”にくるんで、2度も延期してきた『10%』という“毒薬”を今度こそ国民に飲み込ませようというのが魂胆です」と批判。8%への増税で3年以上も深刻な消費不況が続いており、10%への大増税は中止するしかないと述べた上で、日本共産党が掲げる、格差と貧困をただす経済改革を縦横に語り、「1%の富裕層や大企業のための政治でなく、99%の国民のための政治を」と訴えた。
志位氏は、安倍首相が狙う、9条に自衛隊を明記する改憲について、その正体が、自衛隊の憲法上の追認にとどまらず、戦力不保持を定めた9条2項を空文化=死文化させ、無制限の海外での武力行使を可能にするものだと告発。さらに重大なのは、安倍首相が憲法に書き込もうとしている自衛隊とは、安保法制=戦争法で集団的自衛権行使が可能となった自衛隊であること、違憲の安保法制を合憲化することになると指摘した。
安倍政権が憲法違反の悪法を強行し、4野党による憲法53条にもとづく臨時国会召集要求を冒頭解散で葬り去ろうとしているとして、「憲法を守れない首相に、憲法を変える資格はありません」と痛烈に批判。「侵略戦争の反省をふまえ、私たちが手にした世界に誇る日本の宝―憲法9条を守れ。この一点で力をあわせましょう。安倍首相の9条改定の野望に『ノー』の声を、野党共闘の勝利、共産党躍進で突きつけようではありませんか」と呼びかけた。
最後に志位氏は、昨年の参院選や新潟県知事選、今年の仙台市長選のたたかいをあげて、「本気の共闘をやれば安倍政権を倒せることは証明されました。ぜひ総選挙でも発展させたい。野党と市民の共闘の勝利、共産党躍進で、安倍政権を倒し、すべての国民が尊厳をもって生きることができる新しい日本をつくろうではありませんか」と呼びかけた。
France10はParis長期滞在取材の為に財政がひっ迫しております。今後もフランス発の情報を発信するため、寄付をいただければ幸いに存じます。ご支援のほどよろしく御願い申し上げます。
コメントを残す