16年にわたって袴田巌さんの支援活動を続け、2003年3月10日に東京拘置所でご本人に面会した保坂展人・世田谷区長が、メディアと司法がひた隠す袴田えん罪事件のどす黒い暗部と罪なき人を48年拘留した構造に切り込む。
●2003年3月10日・袴田巌さん面会記録・一部抜粋●
保坂「元気ですか」
巌 「元気ですよ」
保坂「今日はあなたの誕生日ですが、分かります?67歳ですね」
(以降、主に保坂さんの顔をみながら話していた。保坂さんに何かをきかれて、自分が答えるのがうれしそうだった)
巌 「そんなことを言われても困るんだよ。もういないんだから、ムゲンサイサイネンゲツ(無限歳歳年月?)歳はない。地球がないときに生まれてきた。地球を作った人・・・(意味不明)」
保坂「ご両親についてお話したい」
巌 「困るんだなー。全てに勝利したんだから。」
「無罪で勝利した。袴田巌の名において。・・・・」
「神の国の儀式があって、袴田巌は勝った。日本国家に対して5億円の損害賠償を取って・・・」
保坂「5億円はどうしたんですか」
巌 「神の国で使っている」
保坂「袴田巌さんはどこに行ったのですか?」
巌 「袴田巌は、智恵の一つ。私が中心になった。昨年儀式があった」
保坂「儀式?」
巌 「儀式だ・・・宇宙・・・。全世界のばい菌と戦っている。(ばい菌に)死刑判決を下している。昨年1月8日まで袴田巌はいた、もういなくなった。1月8日に全能の神である自分が吸収した。中に入っていった。私の智恵の一つ。なくなっちゃう」」
「ばい菌をころさんやいかん。ネズミが伝染病を持ってくる。人に入ってくる。ばい菌の菌のもと。」
保坂「今日はどうしていましたか?」
巌 「今日は、やることはない。儀式の問題。今日は畳を替えると言われた。」
(このあたりで巌さんの表情はだいぶほぐれてきていた・・・保坂さん談)
保坂「なんでここにいるのかわかりますか?」
巌 「神の儀式で決まった。死刑囚はしょうがない。死刑も廃止した。東京拘置所は廃止された。監獄は廃止した。東京国家調査所、オレは所長一番偉い。私は世界一の男だ。ばい菌が一つになった・・・1月8日死刑執行は拒否、いなくなった。袴田巌はいなくなった」
保坂「僕は国会議員で、袴田巌さんという人のことを国会でいろいろ質問したりしているんですよ」
(巌さんはほーっといっていた)
保坂「こちらは秋山先生という弁護士さんですよ。袴田さんの再審請求についてのお話があるんですよ。弁護団に言いたいことは何かありませんか」
巌「そんな必要はない。監獄はなくなった。廃止された。東京拘置所はなくなった。東京国家調査所、所長・・・。死刑執行をできないようにした」
「最大のタカがみんな食っちゃう。死刑執行はできないんだ。・・・・・
「一昨年まで袴田巌はいたが、神の国に帰っただけのこと。生きるものとしての闘い。ばい菌との闘い・・・・」
「自分を殺すことは、自分ではできねー。」
「監獄を廃止した。今は清算をしている。」
保坂「お金はどうですか」
巌 「お金をだせばシャバで使える。」
保坂「誰が入れてくれるのですか?」
巌 「家族が入れてくれる。」
(秀子さんを指さして)
「この人は別だ。このババアー。」
保坂「食べたいものはありますか?」
巌 「食べたいものはない。」
保坂「運動はしてますか?」
巌 「運動は歩いている。歩きながら、ばい菌がどうなっているか考える。」
保坂「弁護士に言いたいことはありませんか?」
巌 「せっかく来てくれたのに申し訳ない。」
岡島「お母さんのことは覚えていますか?」
巌 「袴田だという記憶がない。」
保坂「医者はきますか」
巌 「あーそういえばそんなような服装をしたのが時々くるけど、それももう廃止された。くそをくそにしてしまう。全能の神だから・・・」
岡島「看守さんとは仲良くやっていますか」
巌 「看守もない。俺が一番えらい・・・」
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