「新しい党に移行して全力で政権を奪還する政党に生まれ変わっていく」増子輝彦「民進党」幹事長、定例会見 by 酒井佑人

「民進党」増子輝彦幹事長、記者会見が2018年4月2日に党本部にて行われた。

■冒頭発言

大谷投手の大リーグ初先発・初勝利について

【増子幹事長】

けさは大変うれしいニュースが入ってまいりました。私も朝、BSを見ながら大谷翔平投手の大リーグ初登板を見させていただきまして、大変いいピッチングをしたなと。初勝利を初登板で上げたということ、我々にとっても大きな期待が現実になってきましたし、夢ある姿が出てくるなということで、高校時代まで甲子園を目指して野球少年だった私にとっても本当にうれしい限りでございます。あえてこのことを冒頭に申し上げさせていただきたいと思います。

全国幹事会・自治体議員団等役員合同会議で新党結党方針を承認

【増子幹事長】

きょうは皆さんにまずご報告申し上げたいことは、昨日、地方の全国幹事及び自治体議員団役員等の合同会議をさせていただきまして、大塚代表が提案させていただいた、この新党への移行、新党協議会等についてのご承認を満場一致で頂戴したこと。25の都道府県の皆さんからそれぞれご意見を頂戴し、またご要望も含めて頂戴いたしました。全員一致して、「このことについては前に進めるように」と。むしろ、「2月4日がこの日ではなかったのか」という多くの声を頂戴いたしまして、私どもとしてもお詫びをしながらも、また逆に、地方を重視してきた大塚執行部の約5ヵ月間の活動は決して間違いではなかったと。もう1年を切ろうとしている統一地方選挙、及びそれに続く参議院通常選挙等々を考えれば、やはりこの辺が、本当にタイミングとしては「今、これしかないのではないか」という思いの中で賛同をいただきました。
そういう意味では、執行役員会、常任幹事会、あわせて両院議員総会、そして昨日の地方の代表者の皆さんとのさまざまな議論や、あるいはご要望・ご意見を真摯に受けとめて、私どもしっかりと新しい党に移行して、全力で政権を奪還する政党に生まれ変わっていきたいと思っております。
まだまだひと山もふた山もあるのかもしれませんが、真摯に私どもこのことに向き合いながら、国民の声を大事にしながら、民進党のこれからのイノベーションを行いながら、国民の皆さんのご期待に応えることのできるような政党につくり上げていきたい。
私が申し上げてきた、「桜の咲くころには。遅くともメーデー前までには」ということも、一歩近づいてきたのかなと思っておりますが、しかし、まだまだ我々としても、両院議員総会で頂戴したご要望、課題、これらについてもしっかりと対応しながら、この実現に到達したいと思っております。

新党結党 友党に党首会談を申し入れ

【増子幹事長】

あわせて、これが昨日ご承認をいただきましたので、早速大塚代表が昨日、元民進党議員の皆さんに呼びかけるということのまずスタートを切らせていただきまして、昨日、終了後に立憲民主党の枝野代表と希望の党の玉木代表に電話でこのことについてご報告かたがた、ぜひお会いして、その呼びかけを正式にさせていただきたいということを申し入れさせていただいたところでございます。
結果として、枝野代表は「お断りをします」ということだったというご報告をいただいております。これに対して大塚代表が、「ぜひ何らかの形で自分の思い、この決定についての経過説明を含めて、文書で正式にお願いを申し上げたい」ということを再度お願いしたところ、「国対委員長レベルで対応していただきたい」という話があったということでございます。それを受けて大塚代表も私のほうに、国対レベルとは言いながら、これは国会の問題ではなくて党の問題であるので、「幹事長、あなたが立憲さんのほうに出向いて、これらについての文書等をお渡ししてお願いをしてほしい」ということをご下命賜りました。
私どもとしては、国会のマターではありませんので、やはり日本の政治における政党という、この大変重要な、これからの日本の政治の中での私たちは動きをしっかりとやっていかなければなりませんので、私がその代わりをさせていただきたいと現時点では思っているところでございます。
なお、このことについても、代表が談話を実は用意しておりまして、これはこの後皆さんにお配りしたいと思いますので、会見終了後にぜひお持ちいただければありがたいと思います。
「 このたび、民主主義と国民生活を守るために『中道的な新しい党』『新しい民主党』を結党することとなりました。
国民の代表、国権の最高機関を冒涜する安倍政権の隠蔽体質、熟議を避け、権力を濫用する姿勢は極まりました。日本の民主主義は危機に直面しています。
民主主義と国民生活を守るために、『中道的な新しい党』『新しい民主党』に志を同じくする同志の結集を呼びかけます。
昨日(4月1日)、立憲民主党の枝野幸男代表、希望の党の玉木雄一郎代表には、電話にてその趣旨をお伝えし、まずはご挨拶をさせていただきました。結集を呼びかけるための党首会談等の具体的な段取りについては、本日以降、検討していきます。
また、他の政党、無所属議員への呼びかけについても、本日以降、速やかに検討していきます。」 という大塚代表の本日付の談話を発表させていただくわけでございます。この談話の中にもありましたとおり、先ほど報告した経過でございます。

新党結党 今後の取り組み・国会対応について

【増子幹事長】

なお、今後の日程感を少し皆さんにお話をさせていただきたいと思っております。
そういう形で代表からこの談話を発表させていただきまして、きょう・あすにかけて、しっかりとこのことについて、先ほど私からも申し上げたとおり、立憲さんのほうに私からお願いに参りたいと思っております。希望の党は、玉木代表がこれに応えてくれるということになれば、当然代表と玉木代表との連携をとるものをやっていきたいと思っています。
そして5日から6日にかけて、これらのことにお応えをいただいて同意をいただいた政党との党首会談を予定いたしております。大塚代表とどなたか、まだ確定はいたしませんが、これについては5日ないし6日には党首会談を行いたいと思っております。これはもちろんオープンでやらせていただきます。
その上で、新党協議会設立の合意をそこでしていただいた中で、新党協議会の設立というものを、来週早々にも立ち上げていきたい。新党協議会を発足させるということでございます。場所については今設定をしておりますので、これについてもまた改めて皆様方にご案内を差し上げていきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
この新党協議会が発足した時点で、先ほど申し上げたとおり、両院議員総会あるいは地方の代表者会議の中で頂戴したさまざまなご意見・要望について私どもしっかりと受けとめるという形も具体的にやっていきたいと思っておりますので、このこともまた皆さんにご案内を差し上げ、ご報告をさせていただきたいと思います。
現時点での日程感はこのような状況でございます。
そして11日、衆院予算委員会集中審議が開催されることが決定したと聞いております。このことについて私ども、今の国会情勢の中で民進党が新党ということに進むことについて、「森友問題についての野党連携を壊すのではないか」と。一部では、我が党の中からも「背信行為だ」という大変厳しいご批判をいただきましたが、私どもとしては、これは全く背信行為ではないと。むしろ、証人喚問が終わり、予算成立以降、森友問題を中心として、「働き方改革」の問題もこれから出てまいりますから、さまざまな形で安倍政権と対峙していく上では、しっかりとしたこの新しい党を結成することによって今まで以上に私どもがしっかりと安倍政権と戦い抜きながら、そしてやはり責任の所在を明確にして、証人喚問を要求しておりますから、この証人喚問も実現するための大きな力になっていくと思っております。
両院議員総会あるいは地方議員の代表者の皆さんの中にも、「むしろそのことのほうが、本当の意味で森友や国会対応の中では今がそういうチャンスだ。しっかり民進党が結束して新しい党に進んでいくことこそが、最大の国会対策の一つである」という話も多く頂戴しておりますので、私どもも国会対策上支障のないように、問題のないように十分配慮しながら、むしろ積極的にこの問題に主導権を持って関わっていくことをやっていきたいと思っております。このような形の中でこれらについても進めていきたいと思っておりますので、ご理解をいただければありがたいと思っております。
なお、昨日、一昨日と、世論調査もまた数社から出ておりますが、やはり安倍政権に対する支持率は決して回復という状況にはまいりません。やはり国民の皆さんがより多く安倍総理の責任、そして昭恵夫人への証人喚問(の必要性)はほとんど変わらず、60%台を維持しているということを考えれば、当然このことについても我々全力で対応していくことに最大限努力をしてまいりたいと思っております。

若年層における内閣支持率の低下について

【ゲイレポーター、酒井佑人】

冒頭でも言われていた世論調査の件だが、読売新聞が31日・1日に行った世論調査では、内閣支持率が続落する中で、18歳から29歳までの若年層の中でも2月での7割から5割に下落した。これを受けて増子幹事長はどのようにお感じになるか。若者からの支持をどのように集めるおつもりなのか。それから若者へのメッセージをお願いしたい。

【増子幹事長】

従来は、安倍政権に対する内閣支持率は若い層ほど高かったという傾向がございました。それがなぜこのような数字が出たかというと、やはり森友問題が一つ大きな原因ではないかと推測されます。
やはりこの問題は、国民の皆さんの多くが、「やはりしっかり真相解明すべきだ」と。あわせて、公文書の改ざんということが行われた。誰の指示で、何の目的で、なぜこういうことが行われたかということが、佐川さんの証人喚問では全く明らかにならず、「むしろ問題が深まった」と、たぶん受け取ったのではないだろうか。
やはり安倍さんに対する不信感、今まで最も高い支持層であった10代から20代の皆さんにおいても、そういう不信感が出たのではないだろうかと私は推測をいたしております。
同時に、一方では、小泉進次郎さんに対する(期待)、次の総理候補というのですか、これが読売新聞の世論調査でも最も高い数値になった。これは若い人から見れば、たぶんそういうことについても、その層が動いたのではないだろうかと、そんな気がいたしております。
やはり真相解明は私たちの大きな責任であり、安倍政権でもやはりこのことは果たさなければならない責任だということが明らかになっている一つの数字ではないでしょうか。
我々、若い方々については、18歳から選挙権を得るようになったということを考えれば、若い人たちが政治に対しての信頼、あるいは興味、そして政治に参画するということが十分行われるように、政治家としても、政党としても、政治全体としても、していかなければいけない。そういう責任があると思いますので、やはり透明性を高めていく。そして文書改ざんのような行為が行われないように、やはり私たちはこれからも立法府としての責任を果たしていくことが大事だろう。
若い方々には、ぜひこういうことで諦めず、不信感を持ったことを一日も早く解明するので、ぜひ信頼を何とかお持ちになって、積極的に政治に参画していただきたいと思っています。

森友問題 真相解明に向けた今後の取り組みについて

【France10・及川編集長】

1週間たったが、佐川前国税庁長官の証人喚問に対するご感想と、今後森友疑惑をどう追及していくのか伺いたい。

【増子幹事長】

1週間過ぎての感想は、佐川さんの証人喚問の結果、ますます闇の中に入ってしまったのかなと。
予算委員会も、予算が成立しました。今までのように連日予算委員会が開かれるという状況にはなり得ません。11日に衆議院で予算委員会集中審議が行われることになったということはよかったなと思いつつ、これがどのような形で国会の中で真相究明していくことができるのか。やはり立法府に対する行政府の、ある意味ではこれは大変なじゅうりんであり、民主主義の崩壊につながるという危機感を持っておりますので、何としても、この問題を含めて森友問題については真相解明をしていかなければいけないと思っております。
一つは、やはり予算委員会をさらに、集中審議等をたくさん開くような国会対策上の働きかけをしっかりやっていくこと。
その上で、証人喚問をしていただかなければ真相が明らかにならない。この真相解明のために証人喚問が一日も早く実現できるような対応をしていくことが必要だろうと思っています。
いずれにしても、これは受ける側と攻める側との国会のいろいろな力関係もやはりあります。圧倒的な力関係の中で、やはり政府・与党を少しでも動かすには国民の皆さんの力というものが非常に大きいのだろうと。国民の多くの皆さんが、先ほど申し上げたとおり、この問題についての内閣支持率が今極めて低く、またさらに下がる可能性があるならば、やはり我々はそういうものもしっかりと受けとめながら、それぞれ国会内外でのいろいろな説明、街頭演説や日常の活動の中でこのことはしっかりと説明をしながら国民運動にしっかりと巻き込んでいく努力をしていかなければいけないと思っております。
同時に、先ほど私たちは、新しい党に移行するということは、こういう問題についてももう少ししっかりとした野党が結束していく。固まりを、新しい党を結集していきたいということもありますので、そういう不断の努力をしっかりとこれからもしていきたいと思っています。

新党結党 党代表について

【France10・及川編集長】

新党の党代表はどのように選ぼうとお考えか伺いたい。

【増子幹事長】

これは全く白紙であります。そこまで我々は今、何も考えておりませんので、新党協議会が発足した時点で、さまざまなものが検討という形で行われると思います。その中で、党名とか、場合によってはいろいろ役員構成だとか、党綱領、政策、いろいろな問題について、それなりの対応がされると思いますので、現時点では全く白紙であります。

取材&文:酒井佑人(ゲイレポーター)
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