無所属の会の岡田克也代表は13日、定例記者会見を党本部で開き、財務省の森友文書改ざん問題や北朝鮮の核ミサイル開発をめぐる米朝首脳会談開催への動きなどについて所見を述べた。
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森友決裁文書改ざん問題について
【「無所属の会」代表】
国会のほうは、ご案内のとおりの状況です。これは多くの野党の代表者がお話しになっていることですが、問題は立法府対行政府の話。行政府が提出した資料が改ざんされていた、勝手に書き換えられていたという問題で、そういう意味では私は自民党・公明党の議員の皆さんにも危機感を共有してもらいたいと思っています。
こういうことは前代未聞でありますが、国民の議会制民主主義に対する信頼、その根幹が今揺れているという認識に立って、何とか事実解明をしなければいけない問題だと思っております。そのために、しっかりと与党の皆さんも努力をしていただきたいと考えております。国会で審議すべきだという議論もありますが、その前に、まずそこのところのけじめを明確につけて、その上で国会でしっかり議論したらいいと考えております。
安倍総理もよくわからない対応で、まるで第三者のように、「なぜこんなことが起きたのかよくわからない」というふうに言われていますが、安倍総理こそが問われているわけです。夫人の名前も消されていたことが明らかになったわけであります。みずから率先してあらゆる文書を表に出して、そして事実関係を明確にする。「理財局の一部が勝手にやった」みたいな、誰も信じられないような話を繰り返すのではなく、それこそ真摯に正面からこの問題に取り組む責任がある。そうでないと国民の信頼は戻らないと考えております。
財務省も、「役所の中の役所」と言われた財務省ですから、それが今これだけ国民の信頼を失っている。なぜそうなったのかということについて、事務方も本当のことをしっかりと述べてもらいたいと思っております。
いずれにしても、そういった今の状態を打開するための新たな提案が政府あるいは与党の側からなされない限り、国会を動かすのは容易ではない。そのことは申し上げておきたいと思います。
北朝鮮情勢 南北首脳会談・米朝首脳会談に向けた動きについて
【「無所属の会」代表】
北朝鮮の問題は、ブログにも書いておきましたのでごらんいただいた方も多いと思いますが、北朝鮮が用意周到に進めてきた話ではないかと、そういう感が非常にいたします。最後、アメリカのトランプ大統領が首脳会談を開催するということについて「ノー」と言えないような状況を見透かして仕掛けてきた話ではないかと思います。
しかし、今までのように対立だけの構図から、最終的に結果がどうなるかは別にして、首脳間で話ができる状況になりつつあることは決して悪いことではない。問題は、その中身がしっかりとした会談になるようにこれから準備をしていかなければいけないということだと思います。
もちろんアメリカも韓国もそれぞれチームを組んでそういった作業に入られる、北との事務的な交渉も行われると思いますが、そこに日本がどうかむかということが非常に重要で、日本には日本の国益がありますし、拉致問題もあります。したがって、今までは残念ながら蚊帳の外だったのではないかと想像されますが、これからは日米韓でしっかりと協力しながら、南北首脳会談、そして米朝首脳会談、しっかりと前進できるように進めていかなければならないと思っております。
<質疑>
森友決裁文書改ざん問題について
【「フランス10」・及川記者】
今回の森友文書改ざんについて、麻生財務大臣の辞任を求めるのか、安倍内閣の総辞職を求めるのか、安倍晋三衆議院議員の議員辞職まで求めるのか。この3点全部か、あるいはどれなのか伺いたい。
【「無所属の会」代表】
どこまで求めるかというのは、これは今、野党6党で幹事長・書記局長会談も行って進めている話ですので、私が自分の意見をここで申し上げることは差し控えたいと思います。
まず事実関係を明確にすることが先で、別に首を取りにいくことが目的ではない。まず事実関係を明らかにするということだと思っています。
北朝鮮情勢 南北首脳会談・米朝首脳会談に向けた動きについて
【「フランス10」・及川記者】
岡田さんは外務大臣だったわけだが、北朝鮮・金正恩(キム・ジョンウン)さんと、トランプさんが会談するということだが、日本政府として拉致問題あるいは北朝鮮の非核化のためにどのように外交を進めていくべきだとお考えか。
【「無所属の会」代表】
先ほども言いましたように、南北首脳会談もあれば米朝首脳会談もあります。そこで何を言うかということについて、日本もしっかりと関与して、そのチームの一員として参加していかなければならない。
全く日本が関与しないところでそういった首脳会談が行われるということは避ける。これが一番大事なことだと思います。
3.11から7年に当たって
【「フランス10」・及川記者】
おとといで東日本大震災から7年になったが、その受けとめを伺いたい。
【「無所属の会」代表】
私も総選挙前は民進党東日本大震災復旧・復興推進本部長をやっており、特に福島の沿岸部の各首長の皆さんのお話など、かなり丹念に聞いてまいりました。
いろいろなハードはかなりできてきたとは思いますが、被災3県を見たときに、やはり福島は宮城や岩手と比べると相当な遅れが見られる。まだ復興のスタート台にも立っていないところがあるということです。原発事故を中心としたことによって、ふるさとに帰れない、あるいは家族がばらならになっている、いろいろな不安を抱えて心配している。そういう方々がたくさんいるということは、これは今日においても変わっておりませんので、しっかりとした対応が政治として求められていると思います。
それから、安倍総理が、「民主党政権時代はこんなに遅れたが、自民党になってこんなに進んだ」ということをよく国会で言われましたが、私は本当にそういう話を聞くたびに、「これ、まともな政治家、総理の言う話なのかな」と思っておりました。
ここまでようやく来たこと、例えば高台への移転などがそれなりに進んで多くの方がより安全なところに生活しておられるということを見ると感慨深いものがありますが、それは別に安倍政権になって急にやった話ではなくて、やはり1年、2年の地元住民の皆さんの話し合い、それが集約されて、その上での高台移転ということで、ステップを踏みながらやってきた。つまり、今までの一つ一つの積み重ねの上で今日があるということです。
「民主党の時はもう全くだめで、自分が総理になったらこれだけやったよ」なんていう、そういう恥ずかしい話はもうやめてもらいたいと考えています。
女性宮家創設に関する議論について(1)
【「フランス10」・及川記者】
眞子内親王殿下の婚約延期で、また女性宮家あるいは女性天皇ということが議論されている。岡田さんの個人的見解で構わないので、女性宮家や女性天皇に賛成か反対か、その理由を伺いたい。
【「無所属の会」代表】
これは私の代表質問を見ていただければ。私は代表質問で取り上げていますので、そこで明確に申し上げています。
女性天皇や女系天皇の話は横に置いて。これを安倍政権で議論してもまともな結論にはなりませんので、個人的に私は女性天皇・女系天皇に賛成ですが、その話は横に置いて、女性宮家ということで切り離して早急に議論すべきである。国会で議論することについて何か政府として異論はあるか、という趣旨の質問をしたところ、総理からは、それは国会がやることについて政府として何か言うことはない、というふうに答弁されています。
平野国対委員長にも、これまで野党間でしっかり認識を共有して、女性宮家の問題をご退位の時と同じようなスキームで、議長・副議長が中心になって、各党代表が集って、議論をなるべく早く始めるべきではないかと、そういうふうに申し上げているところです。
女性宮家創設に関する議論について(2)
【時事通信・小松記者】
先ほど女性宮家賛成というふうにおっしゃったが、これは党または「無所属の会」の見解か伺いたい。
【「無所属の会」代表】
「女性宮家賛成」と言ったのではなくて、女性・女系天皇については個人的には賛成であると申し上げました。しかし、それを切り離して女性宮家の問題を議論すべきであるということです。
野田政権の時に女性宮家について内閣として議論し、有識者から二つの道が示されたわけですが、そういう経緯はあります。
そのことも含めて早急に対応していくべきだと思います。私は賛成です。
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