10代限定イベント「民主党ハイスクール・1時限目 渋谷」が開催

 民主党は12月23日午後、高校生など10代向けイベント「民主党ハイスクール・1時限目 渋谷」が東京都内で開かれた。

 第1回に当たる「1時限目」では、東京工業大学の西田亮介准教授をモデレーターに、パネリストには高校生ライターの黒川祐希さん、雑誌Seventeen専属モデルの藤井サチさん、アイドルグループからRaMuさん、読者モデルの紗蘭(SARA)さん、松本鈴香さん、そして枝野幸男幹事長が参加して、来年夏の参院選挙から実施される18歳選挙権について、「選挙の仕組み」「投票の意義」などについてのパネルディスカッションを行った。

 西田准教授が、「来年の夏から選挙権年齢が18歳に引き下げられたが、政治にどういう関心を持っているのか」「投票しに行く時に、どういう視点で投票をするか、政治に参加しようと思うか」「どうしたら若い人たちがもっと政治に興味を持って、投票に行こうと思うか」など、各パネリストに対して質問。

 松本さんは、「今年20歳になり、選挙に行ける年になったが、まず選挙で誰に投票をしていいのか、政治の中身が分からなさ過ぎて投票に行こうという気になれない」と述べた。

 黒川さんは、「政治は、やっていることや取り扱っていることが大きすぎる。選挙で投票することで自分の意見を反映しているということは分かるが、実感がわかない。政治が遠い存在で興味を持てない。また、義務教育が終わった時点で選挙権が持てるのでもいいのではないか」と述べた。

 RaMuさんは、「この討論会の仕事がきた時に、政治について一生懸命に調べた。それまで学校の授業でも政治は苦手分野だったが、頑張って勉強してみたら興味がわいてきた。それで、投票権を認めるのになぜ18歳を成人と認めないのか。お酒やタバコは20歳からのままで、分かりにくい」との意見を述べた。

 紗蘭さんは、「こんど18歳から選挙で投票できるということなので、政治とか選挙にはあまり興味はないが、選挙には行きたいと思っている。今回いろいろなお話しを聞いて、それを選挙に行く時の参考にしたい」と述べた。

 藤井さんは、「政治や政治家には堅苦しいイメージがある。もっとSNSをやるなどして、政治家を身近に感じられるようになれば、もう少し政治や選挙への興味が深まるのでは」などと意見を述べた。

 会場の参加者からは、「18歳に選挙権年齢を引き下げることとあわせて、高校などでの授業内容の変更の議論は進んでいるのか」「選挙の時に配られる選挙公報があるが、ほとんど読まない」などの意見も出た。

 枝野幹事長は、「まず選挙権から18歳にして、それから他のものも18歳でいいのではないかと言う議論はある。保護者の同意のいらない婚姻年齢や少年法で保護される年齢なども18歳でいいのではと言う議論もある一方で、お酒やタバコはそのままでいいのではと言う議論もある。あと10年か20年かすれば、かなりのところで18歳でということになるのではないか」「そもそも政治には、何かきっかけでもなければ普通は関心など持たない。皆さんが関心を持ち、それをツイッターなどでつぶやいていただくことで、それをフォローしている人たちが関心を持ってもらえればいい」「政治のことを全部知ろうとしたら難しすぎて、政治の仕事をしていても全部は分からない。自分が担当しているところ以外は分からない。それでも、それぞれ関心のあるところはあると思うので、初めはそういうところから政治に入っていけばいい」「(学校の政治的)中立性というものがあって、政治の話を学校でするのは非常に難しい。先生たちは困ってしまうことになるので、まずは基礎になっている衆院参院の違いなどの授業をきちんとすることが重要」などと、感想や質問に対する回答を述べた。

 イベントは、約2時間の長丁場ながら、パネリストたちの熱心な発言などで大いに盛り上がり、「ハイスクール校長」の黒岩宇洋党青年委員長(衆院議員)が会場参加者らに感謝の言葉を述べた上で、「若い皆さんが政治や選挙に関心を持つということは、大きな権利を使ってこの国の将来を自分の意思で築いていくということ。大いに政治に関心を持ってもらいたい」などとあいさつして閉会した。

 イベント後、枝野幹事長は、「ものすごく刺激を受けた。政治に対する距離感も含めて、素朴な意見をぶつけてもらうなど、すごく勉強になった。しっかりと受け止めていかなくてはならないと思った」と感想を述べた。今後民主党として18歳の投票率を上げるためにどういう方法を考えるかとの問いに、「多くの方に、投票に行って下さいと呼びかけるだけでは意味がない。どうして行ってもらいたいのかということを伝えるのは難しいが、どう伝えられるか考えなくてはいけない」と述べた。

 財政が厳しい中で、社会保障や若者への教育などのバランスを取っていくのは難しいのではないかと問われると、「シルバー民主主義という話はかなりレッテル貼りなところがある。年金制度みたいなものは高齢者のためだけのものではない。高齢者の老後を現役世代が支えなくても済む仕組みを作ることは、現役世代のためでもある。世代間の対立ではないということを、いかに両方に説明できるかが政治に求められている」と答えた。

 イベントに参加をして投票に行きたくなったかと問われたパネリストたちは、「選挙権を持っている者として責任を感じて投票したい」「少しでも投票をして日本の力になりたい」「この国の現状や将来についての話を聞いて危機感を感じたので、選挙には行ってみたい」などと答えた。

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