仏野党第一党UMPの党首選キャンペーンが開始 ジュペ元首相が一歩リード サルコジ前大統領が猛追

下院に199議席(/577議席)、上院に144議席(/348議席)を有するフランスの野党第一党UMP(民衆運動連合)の党首を選ぶ選挙戦が始まった。投票は11月29日~12月6日の間に行われる。

そもそも今回の党首選は、汚職スキャンダルで辞任に追い込まれたジャン=フランソワ=コペ前党首の代わりを選ぶものだ。政界復帰を虎視眈々と狙ってきたニコラ=サルコジ前大統領が9月19日に自身のfacebookにて出馬を表明するや、選挙戦は過熱し始めた。候補者の一人ブリュノ=ル=メール下院議員は「(サルコジ参戦で)何もかわらない。私たちは互いの悪口をいわないことにしている」と述べ、コメントを差し控えている。

ジュペ元首相vsサルコジ前大統領の一騎打ちか

正式に出馬表明している有力候補は現在4名いる。1995年から2007年まで12年間、政権を担当しただけあり、要職に就いたことのある候補が目白押しだ。

硬派週刊誌「Le Nouvel Observateur」が党首選に投票する意志を持つ有権者1224人に10月8日、9日に尋ねた世論調査によれば、47%の支持を得て、トップを走るのが、ボルドー市のアラン=ジュペ市長(69)だ。ジュペ氏はジャック=シラク元大統領の側近として政界入りし、同大統領の下で首相や外務相、予算相を務め、ニコラ=サルコジ大統領の下ではエコロジー&持続可能開発担当相、国防相&退役軍人担当相、外務相&ヨーロッパ担当相という要職を歴任してきた。いわば超重鎮だが高齢なのが玉に瑕だ。

次いで人気なのがニコラ=サルコジ前大統領(59)で35%の支持を得ている。ただ、サルコジ氏は大統領時代のスキャンダルで捜査を受け、ダメージを負った。『朝日新聞』が2014年7月1日に『仏サルコジ前大統領の身柄拘束 不正資金疑惑の捜査で』と題した記事を載せているので以下引用する。

2012年の仏大統領選挙キャンペーンで演説するサルコジ大統領(wikipédia)
2012年の仏大統領選挙キャンペーンで演説するサルコジ大統領(wikipédia)

サルコジ前大統領は不起訴に

「フランス司法当局は1日、2007年の大統領選での不正資金疑惑をめぐる捜査をゆがめた疑いでサルコジ前大統領の身柄を拘束し、事情聴取を始めた。大統領経験者の身柄拘束は、現在の政治体制である1958年からの『第5共和制』で初めて。サルコジ氏の政治力や仏政界に影響を及ぼすのは確実だ。

サルコジ氏は、大統領に当選した07年の選挙キャンペーンで、リビアから巨額の不正資金を得た疑惑にかかわったとされ、事情聴取を受けた。その捜査の過程から、別の不正資金疑惑に際して、大統領経験者としての人脈や影響力を使って情報を得たり、当局の手が及ばぬよう画策したりした疑いが持ち上がった。

旧知の弁護士も身柄を拘束されているうえ、司法当局は、サルコジ氏が弁護士らとやりとりした携帯電話の記録や、日々の行動を記した手帳なども入手している。当局は、最大で48時間かけて今後の対応を決めるが、サルコジ氏が起訴される可能性もある。」

しかし、7月7日にサルコジ氏が不起訴になったと報じられた(続)

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