伊達公子さん引退会見「レズビアンのナブラチロワ選手は素晴らしい女性」

 テニスプレイヤーの伊達公子さんが9月20日、日本外国特派員協会で、引退記者会見を行い、多数のプレスが駆けつけた。
 France10の契約記者でゲイレポーターの酒井佑人さん(Twitterアカウント:@sakaiyuto226)が

「レズビアンであることを公表されました(マルチナ・)ナブラチロワ選手のようにスポーツ界にはLGBTの選手が少なからず存在しますけれども、(マルチナ・)ナブラチロワさんのカミングアウトをその当時、どのように受け止められていましたか」

と質問したところ、伊達公子さんは

「ナブラチロワ選手というのは、私にとって子供の頃からいつもテレビでウィンブルドンやグランドスラムの試合を見ていた憧れの選手でした。プロになってから、彼女と同じコートで接する機会を得るようになってから、私が覚えているのは……確か19歳か20歳頃だったと思うんですが、ウィンブルドンの前哨戦か、どこか芝のコートだったことを覚えているんですけれども。
「公子、練習しない?」ということで声をかけてもらって、一緒に練習したのはあまりにも興奮して、練習中は「練習にならなかった」と思われることがすごく嫌だったので、必死になって練習したのを覚えています。
残念ながら、実際の試合で対戦する機会は得ることができなかったんですが、彼女とはその後も話す機会もたくさんありましたし、先ほどお話したカムバックする前のエキシビジョンというのも、彼女と一緒にやる機会を得ることができていました。
彼女がレズビアンであるということをカミングアウトしたことは、私にとってはとくに大きな問題ではなく、彼女を人間として、テニスプレイヤーとして、女性としても非常に素晴らしい方だと。常に子どもの頃に憧れていた存在の人、そして人柄を知った上でも素晴らしい人だなということを、常に思っています。」

と応えた。また、筆者が

「先ほど名前の出たナブラチロワ選手は、引退後、同性愛者の権利向上や動物愛護などの社会活動に取り組んでおられますが、伊達さんは引退後なにか社会活動をしたり、取り組みたいこととかお考えでしょうか?
また、座右の銘や好きな言葉、落ち込んだときに聞く歌などがあれば教えてください。」

と質問したところ、伊達さんは

「第1キャリアを終えたあとというのは、私はさまざまな活動をした中の1つとして、途上国に訪れて。JICAのオフィシャルサポーターをしていたということもありまして、途上国に行って現状を知るということももちろんそうですし、視察をして。
というなかで、途上国ではなかなかスポーツをする機会というのは少ない国が多いので、やっぱりそこの中でもスポーツ、そののちに、スポーツができなくてもやっぱりスポーツをすることの楽しさを知ってもらったり、スポーツをすることの楽しさを知ることによって、そののちにまた自分の生活の中で生きる力というものを身につけてほしいというところから、そのような活動をしてたんですけれども。
ただ、再チャレンジ、カムバックをしてからというのは、いろんな国に行くチャンスというものも、時間を割くことが難しかったのでその活動もいったんストップをしていたんですが。
これからまたどのような活動をするか考えていくなかで、もちろん社会貢献というのは自分の中でもやっていきたいという気持ちは1つあることにはかわりはないので、また考えていきたいなと思っています。
また、一度ラオスのほうにも学校を作った経緯もあったりしてるのでそういうところにも、自分で作った学校というものに訪れてみたいなという気持ちもあります。
好きな言葉は……いつも、この9年半もそうでしたけれども、いろんなことにチャレンジすることは大好きですし、常に自分のこの9年半の中にもチャレンジというのはいつもあったかなと思います。」

と応えられた。

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