【映画評】松本人志『R100』with川端さくら
現在上映中の松本人志『R100』についてロッカーにして女優(映画・舞台)の川端さくら『乙女装置』リーダーが分析する。
主題:松っちゃんよ、もっと突き抜けろ
映題:松本人志『R100』
話者:川端さくら(『乙女装置』主宰・ロッカー・女優・アーティスト)
文責:及川健二(ジャーナリスト・政治哲学者)
松本人志・監督の作品を初めて見たのですが、ひとことで感想を述べると「好きなことをやりたかった」んだろうと思います。SMが現実世界で起きていくという(奇想天外な)ストーリーでしたが、途中で、それが100歳の監督が撮る「劇中劇」だと分かります。「この映画は100歳にならないと理解できない」旨のセリフが出てきます。百歳になって映画館に行って鑑賞する。そんな人はほとんどいない。つまり、この映画を「誰も理解できない」というに等しい。松本監督の「誰からも理解されなくたっていいんだ」という本音が垣間見えます。ならばわざわざ劇中劇にせずにもっと突き抜けたほうが良かったのではないか。印象に残ったのは、ボンテージの女が素手で寿司を潰しては潰し続けるというシーンです。店内のお客も店員も店主でさえも誰も何もそこに突っ込まないのが実にシュール。現実にそんな格好で寿司屋に入れるわけがなく、潰された寿司を食べる快楽は理解できても、潰されるのを承知で次々と寿司を出す店主が可笑しくてたまらない。店主もマゾか?!と突っ込みたくなってしまう。
また、カーチェースで流れるダウン・タウン・ブギウギ・バンド『サクセス』は効果的でした。
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